今も。これからも。ずっと、きみだけが好き。
第二章 交錯する想い

陽菜の実力(悠斗side)

 月曜日の朝。

 
「おはよう」

 口々にあいさつをかわしながら教室に入ると、航太はすでに席についていた。
 1人、雑誌をめくっている。
 教室の時計を見ると8時を回ったばかり。

「航太、今日は早いな」

 いつもは8時半前にしか来ないのに。やっと、HRの時間に間に合うくらい。


 俺は自分の通学バックを席に置いて、空いていた前の席に座った。
 俺の声に航太はゆっくりと視線をあげる。


「今日から朝練が始まったんだよ」

「へぇ、朝練。その割には終わるの早いな。時間ギリギリまでするのかと思ったけど」

「監督が時間に厳しいから。授業に遅れるのを許さないんだよ」

「ふーん。学生の本分は勉強ってわけ?」


 監督って誰だっけ? 顔も名前も思い浮かばない。

 俺には関係ないから、誰でもいっか。

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