夢蝶 ~なによりも大切なもの~


『…だ………大地……ぶ…………じだ…………よ……ね……。よ…かっ……………た。』


「良くねえよ!!なにしてんだよ!
なんで、俺なんかの前に…!!」


『……だい…………ち……私……だ………いちを………ま……もれ……て……う………れし………いよ?……』


その言葉と同時に、

弱々しい柑奈の手が俺の頬に一瞬触れ、

落ちて行った…。



そして、柑奈は意識を失った。




「柑奈……?柑奈!!戻って来い!
柑奈ーーーーーーーー」


俺は、人目を気にせず、柑奈を揺さぶり

泣きわめき、叫んだ。



柑奈…なんで、なんでこんなことを…。



< 119 / 303 >

この作品をシェア

pagetop