ヤクザの家族になっちゃった!?
デート…!?
私が落ち着いたのを見計らって、
車にのせてくれた。
そして、発車させる。
車の中は相変わらず沈黙だけど、
不思議と気まずくはなかった。
しばらく走ると、
「一度家に帰るな」
そう、小さくも大きくもない声で言った。
…龍之介さんの声が心地いいのは、声の大きさも含まれてるんだろうね。
まぁ、そんなことはどうでもよくて、
気になったのは…
「一度ってことは…また出掛けるんですか?」
「あぁ。少し付き合え。」
…まぁ、断る理由もないし…
ってあ!!
「ごめんなさい!無理です!昼からバイト入ってます!」
「…バイト?なぜそんなものもやるんだ?」
不思議そうに聞いてくる。
「なぜってそりゃぁ、お金を稼ぐために…」
「そうじゃない。お金を稼いでどうするんだと聞いている」
「お金を稼いで…」
あ、そうか。
もう生活費に当てなくてすむのか…
それなら、
「幸子達に洋服とか買ってあげたいです」
今までろくに買ってあげられなかったからね
「それなら、親父がもう買いにいってるはずだぞ。」
え、うそ…
「えっと…じゃあ、貯金…」
「俺と結婚するのに貯金なんて要らないだろう」
え?
彼女の次は結婚?
「結婚するつもりはないですって!」
「大丈夫だ。そのうちなるから」
どこからくるんだ、その自信は…
「だからもう、バイトはやめろ」
「いやぁ、やめるにしたって、急には無理だし…」
「なぜだ?今すぐやめられるだろう?」
「契約で、やめるときは二週間前に言わなきゃいけないってことになってるので」
「…そうか。なら、明日はどうだ?」
「明日…」
スケジュール帳を確認する。
私がやってたバイトは、
長期がコンビニで、短期が派遣。
あ、あと管理人の手伝い。
お手伝いの方は、大家さんに言ったから平気だと思う。
あと、派遣の方はやりたいときにやる
のが基本だったので、
予定にはいれてない。
基本的には週3で入ってるバイトのみ。
んで、コンビニは休みだったので、
「あ、空いてますね。」
「そうか。なら明日付き合え」
「あ、はい。」
私はそう返事した。