あ、まただ――…。

それは連休明けのある晴れた朝のことだった。
由佳は靴箱の扉を開けて、数秒動きを止めた。


「ない…。」


由佳は小さく呟いた。

靴箱の中に本来あるはずの由佳の上履きが、見当たらない。
今月に入って一体何度目だろう。

ぼーっと靴箱の前に突っ立っている由佳の背中に、誰かが強くぶつかる。


「チッ…邪魔。」


明らかに聞こえるような声の大きさでそう呟いた女は、派手そうな女子の集団の輪に「おっはよ~!」と元気よく入っていく。
そしてその集団は由佳のほうを見て、何かコソコソと言い合っては、愉快そうにクスクス笑っている。

由佳は小さくため息をついた。

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純愛  感動  胸キュン  友情  イケメン