真っ直ぐ歩けばー星ヶ丘高校絵巻ー
エピローグ 遠野涼と鷺原綾
校門を出て長い坂を降りると

バス停のベンチに、腰をかけて

涼が教科書を開いていた。

相変わらずの姿勢のよさだ。

「待っててくれたんだ。」

綾が後ろから声をかけると、

涼は教科書を閉じて顔を上げた。

「別に。ただ、ここで英単語の一つでも

覚えるのも悪くないと思ってな。」

はいはい、と綾は苦笑しながら、

「帰ろ」

と促す。
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