あなたが作るおいしいごはん【完】

応じるしかない運命


***

2人だけになった和室は

広々とし過ぎて落ち着かない。

「……。」

私は何かを話す気力も失い

黙ったまま俯いてしまっていた。


何で私は新年早々こうして

久しぶりに会ったカズ兄ちゃんと

お見合いと言う顔合わせを

させられてるんだろう…。

しかも、高校卒業したら

彼との婚約、結婚だのと

父親同士で知らないうちに

話が進んでいて

強制的に決められてしまっていた。


『将来の為』

『押谷家と浅倉家の為』


とか何とか言って

私が何を言っても

無駄みたいに却下されて

スルーされてしまったうえに

彼まで『構わない』とOKしてるし

私の意志は無視で

『宜しく』と託されてしまってる。


「……はぁっ。」


彼を目の前に

失礼な態度ながらもため息を吐いた。

何でこんな目に遭わされてるんだろう。

なんなんだろう…一体。



頭の中で悶々としていると


『…萌絵ちゃん、顔あげてくれない?』


彼に私は声をかけられた。






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