変わりゆく華たち 第一幕 散ル華

幹部の人間





「おい、どうして部屋を出た」



俺は今、やたら怒りっぽい人を前にして座っている。



そしてその周りには沢山の人間も座っている。


勿論先程あった、背の小さい男も一緒だ。



「おい、聞いてんのか!」



薄暗い部屋の中、それなりに顔立ちのいい男の低い声が響く。


何故こんな事態になったかというのは、あの部屋を出てしばらく経った頃から始まった−−−





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あの部屋から出て四半刻(約三十分)。


未だに出口が見つからない。


いくら夜だと言っても月明かりはある上に、他の奴らより視力がいい俺にとってはすぐに此処から出れる予定であの部屋を出た。



まずいな……。
もう奴らはあの部屋に俺がいないことに気付くだろう。


そして俺を探しまわるはずだ。


見つかってしまえば、俺があの部屋を出た意味がなくなってしまう。



四半刻も経っているのにもかかわらず、この場所をウロウロと歩きまわっていかというと、単にまだ出口が見つかっていないだけだ。



だいたい何なんだ、この作りは。


どの部屋もなんで同じような作りをしているんだ。


何処を歩きまわっても、同じようなところを歩いている気分だ。




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