君と私を、夜空から三日月が見てる
【ACT1】もてない女の人生なんて所詮こんなもんだよね!
どうして私が!?
なんで私が!?
何を間違ってこんなとこに左遷なの!?
よりによって何故ここに!?
私の本職は、確か事務職だったはずだよね?!
なのになんで!??


私は、巨大ショッピングモールの一角にある、その「掃き溜め部門」のドアの前に立って、ひたすら肩を震わせていた。
先月まで、きっちりとスーツを着こんで、パソコンに向って仕事をしてたはずなのに!!!
月を跨いだ今、私の格好といえば、地味なグレーの作業服に同じ色のウィンドブレーカー。

なにこれ?
なんなの?
これがまだ嫁にも行ってない若い?・・・女にする仕打ちなの!?
最悪だ・・・
最低だ・・・
私が積み上げてきたキャリアが・・・・・!!


時間は午前7時45分。
売り場からバックヤードに流れてくるBGMが、お客様をお迎えすること告げている。
いつもなら、そのBGMを2Fにあるオフィスで聞いていたはずなのに・・・
何故私は、今ここに!!!?


私の目の前のベージュ色のドアに掲げられたプレートは、私のこの現状をあざ笑うかのようにこう告げていた。
今、ここがどこであるか・・・
ドアに掲げられたプレートにはこう書かれている。


『清掃控え室』


巨大ショッピングモールの事務職として就職したはずなのに・・・・
うかつに口に出してしまったあの一言のために・・・
私は今日から・・・

業務さながらのこの部門。
通称『掃き溜め部門』
まさかの『清掃部門』に移動させられてしまったんですぅぅぅぅ!!!
ありえないんだからぁぁぁぁぁぁ!!!!








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