2005年8月某日

めでたく入籍した。
翔ちゃんの仕事終わりに市役所の夜間窓口に提出した。


「なんか奥さんって実感わかないなぁ」

「じゃあ辞める?」笑

「翔ちゃんの意地悪!!」

「でも俺も実感わかない」

「じゃあ辞めるん?」

「愛も意地悪だな」笑



今月いっぱいでこの家とも離れなくてはならない。
そんなに長く住んでたわけじゃないから大して荷物もないけど。


「でも、寂しいね、この家と離れちゃうの」


「でも俺ら貯金していかなきゃだからね」


「愛はあるけどね。でも何かの時の為になるべく使わないつもり」


「それがいいよ。愛もしばらくしたらバイト辞めろよ。
俺が稼ぐから心配するな」


「急に頼もしくなったね」


「パパになるからね。赤ちゃん男と女のどちらだろうね?」

「どっちがいい?」

「女の子だったら俺心配でしょうがないかもー」


「気が早いよ。この間ママと病院行ったけど、
性別がわかるのはまだまだ先だって言ってたよ?」


「どっちでも、元気に生まれてきてくれたらそれでいいね」


「そうだね。いいパパになってね」


「愛もいいママになってね」

二人で笑う。


「結婚指輪はお金貯めなきゃだから買えないけど、
この間お揃いで買ったのにしよう」

「いいよ、あれ気に入ってるの」

付き合ってしばらくしてお揃いで買ったのだ。
それで十分だ。
翔ちゃんがいて、赤ちゃんがいて、他に欲しい物等何もない。

「いつか買ってやるね」

「楽しみにしとくね」

「それと愛、タバコ辞めなきゃだよ」

「えええぇ。せめて5本!ストレスもよくないんだよ」

「しょうがないなぁ。母さん達いる前では吸うなよ」

「わかった」

今月末になって荷物を翔ちゃんの実家に運んだ。

新しい人生の第一歩の始まりだ。

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