最悪から最愛へ
「結婚まではまだ考えられないです」


「そのことはゆっくり考えたらいいよ。焦らないから」


焦らないと言うけど、焦っているように見える。それでも、渚の気持ちを優先に考えてくれる。強引だけど、気遣いも感じられる。渚の中で峻はかなり頼れて安心の出来る存在になっていた。


「渚、ずっと大事にする。好きだよ」


部屋に入り、後ろから峻は後ろから渚を抱き締めた。お腹に来た峻の手を渚はそっと握る。好みの手は安心できる手だから、素直に受け入れることが出来る。背後から感じる峻の想いに応えることも出来る。


「私も好きです」


やっと実感した自分の想いを言葉にする。その言葉を聞いて、峻は抱き締める力を少し強めた。お互いの想いが一緒になると気持ちが高ぶる。もう待たなくてもいい。

渚の体を回転させて、優しいキスして、優しく熱く抱いた。ゆっくりと2人の夜が過ぎていく。
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