鬼部長の優しい手



私がそう言った瞬間、
部長は顔をよりいっそう強張らせた。




「関係ないって言ってるだろ!


出ていけ!何回も言わせるな!」




「…っ」




部長の声、震えてる…
私と一緒…




このまま引き下がるわけにはいかない。


私は息を吸い込んで部長に反撃しようとするが、部長がそれを許さない。




「出ていけ」



部長は静かにそう言って、
私の手を強引に引っ張り、
玄関までつれていく。





「…っ!

部長!痛い…痛いです…っ」


「…」




必死に部長に、抗議するも、
今の部長に届くはずもなく、

私は、あっさり
家の外に出された。




「…部長!



話してください!
私、諦めませんから!
部長が話してくれるまで!」




「だからなんだ?」



部長は冷たく、そう言い放つと、
ドアを閉めてしまった。










部長…っ、
私が…私が怒らせた…
勝手なことして、



でも、話してほしかった。
一人で抱え込んでほしくなかった。
私も力になりたかった。



部長、そう思うことはいけないことですか…?












すみません、香澄先輩。

先輩との約束、守れなかったみたいです









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