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キャリーバッグに詰めてみて初めて、私は自分の持っている服の少なさに気が付いた。

もう少し自分のこと、気にしてもいいのかも。

持っていくと決めた物を全て入れ蓋を閉じた。

「全部入っちゃった」

「うん。少ないね」

和馬もそう思っていたんだ。

やだな。

私が思っていること全部、筒抜けになっているみたい。

「こんなに大きいかばんで出張に行くの?」

「サンプルを入れたりするからね、このくらい大きくないと足りないんだ」

「ふーん。……出張ってよくあるの?」

「ううん、滅多にないよ」

「そっか」

和馬はにっこりと笑った。

「じゃあ、行こうか」

「うん」
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