「お疲れ様です」

今朝は、週末から公開される映画の番宣の為に、各局電波ジャックを予定している。
早朝の生放送番組を、分刻みのスケジュールで動く。

「雅也。次は番組出演の合間に、雑誌のインタビュー入ってるからな」

「了~解で~す」

マネージャーの坪井さんから、インタビュー用の原稿を受け取る。
車での移動中、その原稿を丸暗記する。



デビューから、コツコツと学業と仕事をこなし、
今では何とか世間から顔と名前を覚えてもらえた。






忙しくなった日常で、オレは大事なコトを忘れかけている…





次のテレビ局へ着き、ゲスト控室へ入ると既に雑誌記者とカメラマンがスタンバイしている。


「…すいません。遅れちゃいましたね…」

急いで席に座ると、ヘアメイクさんが手際よく乱れた髪を整えてくれる。
と、同時に記者と会話しているところをカメラマンが撮影。




「…今、とてもお忙しいですよね?眠る時間とかありますか?」

「はい。移動中にも仮眠できますし。確保できてると思いますよ。
 仕事を与えてもらえる今は、幸せです」




…なんて。ありきたりの問答して…映画の番宣して…
空気が和んだところで、本来の聞き出したいネタをフラれるのがお決まりだ。




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