「ミツさん、俺きいちゃった」
気づくと、輝が光恵の側に立っていた。


「ああ……いいの、ぜんぜん」
光恵は首を振った。


「俺なら、おいて行かないよ」
光恵は輝の顔を見上げた。


「ミツさんだけを、置き去りになんかしない」
輝が光恵の手を取った。


「こんないい女を置いてくなんて、佐田孝志って男もたいしたことないな」
「……」
「俺は、側にいます。ミツさんの側に」


輝は光恵の頬に手をあてて、
それから、
そっと唇を重ねた。