聖なる夜の奇跡~身分違いの恋~
第4章~聖なる夜に~【完】
社内報でパーティーの写真を見た。
本当にお似合いな2人だった。
私と大介の関係を知っている人も多く、周りのわざとらしい態度が辛かった。
私の存在に気付くと、みんな、その話題を避けた。
「よぉ、河野さん!へこんでる?」
こんな風に話しかけてくれるのは、玉巻俊也だけだった。
「別れたの・・・」
私がそう言うと、玉巻さんは、いつもと違う真剣な表情になった。
「ちょっと待てよ!!負けんなよ!俺達みんな、勝美さんと河野さんを応援してんだって!いろんな障害乗り越えて、一緒になって欲しいって願ってるんだよ!」
我慢していた涙が流れた。
「ごめんなさい・・・でも、私が彼の未来を壊してしまいそうで。」
玉巻さんは、私の涙を見て、もう何も言わなかった。
エレベーターを降りるとき、小さく言った。
「俺が別れた時、河野さんがまだやり直せるって言ってくれたから、俺、やり直せたんだ。だから・・・河野さんも、まだやり直せるって信じてる。」