【今日の18時。いつもの場所に集合】



定時を迎える10分前に送信されてきた一斉メール。私はそのメールを見ながら深いため息をついた。


今日は今月末に結婚退職する佳澄(かすみ)のために、同期だけの送別会が開かれる。
断りたいのは山々だったが私のプライドがそれを許さなかった。


席を立とうとしたその時、営業部内の電話が鳴り響く。まさか無視するわけにもいかず受話器をとれば、相手は私が担当している取引先からだった。


電話口の彼が話した仕事の内容は単に明日のアポイントの時間の件で、わざわざ電話をしてくるような内容ではない。


その後はひたすらプライベートな質問ばかりを受ける。まさか強引に切るわけにもいかず、のらりくらりとかわしながら相づちを打っていたらすっかり遅くなってしまった。


まー急いでも仕方がないし、もともと乗り気ではないため足取りもかなり重くなったのは言うまでもない。



「遅い」

「ごめんね。許して」



親友の里菜(りな)はプーッと頬を膨らませた。
もうすでに酔っている感じだ。
でもまたこの姿が可愛い。



「得意先の他愛もない話に捕まっちゃって」

「あー!もしかして永戸(ながと)物産の工藤さん?」

「まあね」

「またデートに誘われたの?いっそ付き合っちゃえば?」



はは…と力なく笑う私。そうだね。
もっと軽く考えればいいのに今の私にはまだそこまでの元気はない。



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