また、キミに逢えたなら。


シロー君のことを考えると、悲しげな横顔が浮かんで来て、それが頭から離れてくれない。


あの日突き放されたことがすごく悲しかった。



だけどそれでもやっぱり、逢いたい気持ちに変わりはない。



「なーに?ボケッとしちゃって!その人のこと考えてたんだ?」



瑠璃が私の顔を覗き込みながらニンマリ笑う。



「ちち、違うよ!」



ドキドキする胸を押さえて必死に首を振る。



だけど、そうすればするほど瑠璃には逆効果だったようで。



「今度紹介してよね」



なんて言われてしまった。



……違うのに。



そう言っても信じてもらえなくて、瑠璃は面白おかしくニマニマ笑うだけ。



結局そのまま帰ってしまった。


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