そんな日々の中、仕事と並行して結婚式の準備を進めてくれた紬さんの体調を気にしつつも。

入籍しても尚、私は結婚式に対してどうしても前向きな気持ちにはなれないままだった。

周囲からの指示に従い、必要最低限のことをするのみだ。

そんな私がすることといえば、当日、会場であるホテルに着ていく服を、彩也子さんと一緒に選ぶことくらい。

それすら「今持っている服を着ていくから買い揃える必要なんてない」という私の言葉を完全に無視した彩也子さんの命令によるものだ。

『瑠依ちゃんが新しい人生を踏み出す大切な日なんだから、それにふさわしい服を用意しなくちゃだめ』

普段からはっきりとした口調で周囲に笑顔を向ける彼女のその言葉には従うよりほかなくて。

渋々、私は重い腰をあげた。



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お見合い  政略結婚  溺愛  すれ違い  片思い 

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