(嘘……)

 美麗はその結果に、青ざめていた。デイビットと出会って三週間と幾日が過ぎた頃だったろうか。
あの腕枕で眠ったあと、デイビットより早く起きた美麗は、『ご飯代とホテル代です』、と書き置きと一万円札数枚を置いて鳥かごに戻った。足りなかったら、取りに来て下さいと書こうと思ったが、それは何だかもう一度会いたいように思われるので、止めておいた。

 
稽古をサボった美麗を反省するまで表に出さないとカンカンの母親に、じゃあ、と一向に反省の色を見せず、平行線のまま、自室にご飯だけが運ばれてきている。

本当に籠の中。餌だけ貰い生きている。あれは、ほんの一瞬の夢。白昼夢にも似た幻想。もっと言えば泡沫の夢だと思っている。だけど。

「美麗さん、風邪は大丈夫でしたか?」

 家政婦の橘さんに話しかけられ、美麗はその手にあったものを隠した。


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