KISS
第2章◆口止め


次の日の朝。

あたしが学校に着いて、
真っ先に向かったのは

「アイツ」

の教室だった。


「おはよう。ヒナ先輩。どうしたの?」


「・・・アンタに・・・・・・
口止めしに来たの。」


「・・・なんの?」

本気で解っていないのだろう。
まぬけな顔で言った。


「・・・・・・昨日の。」


「あ・・・アレか。」


「ヒロに言ったら・・・緋崎の事・・・
絶対に許さないから・・・」


その時、
レンの表情が変わった。


「緋崎?」


「え・・・・・・・?」


「昨日さ、俺
「レン」って呼んでって言ったよね?」

むっとしながらレンは答えた。


「・・・ヒロに怒られた。」


そう言うと、
さらにむっとするレン。


「・・・レンって呼ばないなら、
俺、ヒロタカ先輩に言うよ?」


・・・なんか究極の選択って感じ。
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