~Special Short Story~
☆。.:*・゜1×5のラブレターと



それは、突然だった。







「あの」


バスから降りた私は急いでいた。とってもとーっても。


「あの」


理由は1つ。大学の講義に遅れそうだからだ。それなのに、後ろからずーっと誰かに声をかけられている。


あぁっ、もううるさいなぁ。


「もう、何なんですか!?」


「コレ、受け取ってください」


イライラした口調で言いながら振り返ると、目の前に差し出された、白い封筒。渡し主は……ブレザーを着た高校生の男の子。


「私……ですか?」


「はい」


無理やり封筒を持たされると、その男の子は駆け出していった。


え?なに、コレ。


今日ってエイプリルフールじゃないよね?


私、明莉(あかり)、大学2年生の20歳。今日、知らない男の子からラブレターをもらいました。





「何、この新手のラブレター」


大学の講義を受けてお昼の時間。目の前のイスに座るショートカットのよく似合う友達の弥生(やよい)が、私がもらった封筒の中身を見て呟いた。



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