あなたを待つ夜
第一章
――沖縄から出てきてもう6年目になるのか。

通勤ラッシュの満員電車に揺られながら、長嶺優子はそんなことをぼんやりと考えていた。

優子は沖縄県内の高校を卒業後、大学進学と共に上京してきた。

最初の頃はホームシックで毎晩泣き腫らしていた優子だったが、今ではすっかり東京に馴染んでしまったように思える。
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