「ねぇ、相馬くん」

「…ん?」

「呼んでみただけ」


彼女はいつもそう言って頬をあわいピンク色にそめて、やわらかく微笑むんだ。


「なんなんだおい…」


俺はいつも鬱陶しそうにていたけれど、本当はいつだってどんなときだってそんな彼女がいとしくてたまらなかった。



「えへへ、ごめんね」


なんて彼女がまた無邪気に笑うから、


だからまた、恋をしてしまうんだ。


ゆるされないと、わかっていても。



「ひより…」

「ん?」

「こっち、きて」


抱き合って唇を重ねて存在を体温を、愛を確かめ合う。
そんなあまくやさしい日々に隠されていた罪。


「ひより……俺は……」


「……そうま、くん…?」


「俺は………あいつをころしたんだ」


真実はあまりに残酷で


「どうして、なの…」


二人を引き裂く。


「愛して、ごめん…」


俺はひとりの女を手に入れるために親友をこの手で殺した。


この手を汚してでも、たとえ汚れた手であいつを愛することになったとしても



それでも俺はあいつがほしかった。



これは、俺とひよりが見たゆめ。
あまくてやさしくて、残酷なゆめ。


since 2014 10/16