歌姫
屋上



莉音side‥。


いつからだろうか

屋上で練習しだしたのは‥。

屋上で歌を聴かれていたのは‥。




「莉音今から屋上?」



私は佐野莉音(りおん)



高校二年生の五月。



ただいま親友の咲綺(さき)と

昼食を済ませたところ



「うん!ギターの練習してくるねっ!」



私はお昼休みに屋上へ行く。

ギターの練習するために。



「一回くらい私にも歌聴かせなさいよ!」

「んーうまくなったらねっ!」

咲綺にですら私は

自分の歌を聴いてもらったことがない

下手だって笑われるのが怖いから。

ただたんに臆病なだけ。


咲綺にバイバイって手を振り

人目を気にして

階段をのぼり重い扉を開ける。



カチャッ ギィー

先生に屋上での用事を任されたとき

私は合い鍵なんかを作る悪い奴。笑

まあ、咲綺は知ってるんだけどね!

ひみつにしてくれている。




だから屋上には誰もいない。

目の前にはコンクリートの床と

青一色の空。

下を覗けばグラウンド。



屋上の高台で日陰になるところに座り

ギターケースを開ける。




今日は気持ちがいいなー。



よし。練習練習!!!


えっと‥チューナー、チューナー


‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。


よし!合った。


ジャラーン

うん。いい感じ!




♪‥。•♬‥。•♪‥。•♬‥。•♪‥。•♬

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