緋衣は、自分のマンションの部屋に帰宅すると、ただいまを言って、脱いだパンプスの爪先を揃えて玄関の隅に並べる。

金曜の夜から恋人の亮祐と会っていた為、部屋に戻るのは二日振りだ。

一直線にキッチンへと向かうと、電気ケトルにスイッチを入れ、窓を開けて空気の入れ替えをする。その間に洗面室で手洗いうがいを済ませ、ボストンバックから取り出した洗濯物を洗濯機に放り込んでスタートボタンを押す。

部屋に戻ってから窓を閉めると、そこでタイミング良くお湯が湧きお茶の用意をする。最近お気に入りのレモンティーのスティックをカップに移し、電気ケトルから熱湯を注いだ。

緋衣はカップをふーふーしながらソファに腰を下ろすと、まだ早いのは分かっているが、試しに唇をカップに当ててみる。が、すぐに断念する。猫舌のくせに、熱いものは熱いうちに飲みたいなんて変な癖だ。

いつものようにテレビのスイッチを入れ、映し出された画面を見る。いつのまにか、目にはぼんやりと映像が映っているだけになっていて、ふと気付けば、この週末の出来事を振り返っていた。