翌日は雲一つなくよく晴れていた。

昼食を済ませると、私は早速田中の部屋へ向かう。

扉をノックすると「どうぞ」と返事があった。

早速中に入ると田中は出掛ける準備をしていた。

「どっか行くの?」

「ええ、今日の午後はお休みをいただいておりますので、所用を足しに行ってきます」

確かにいつものワイシャツに黒のスラックス姿ではなく、半袖の黒いシャツに黒いコットンパンツを履いており、気持ちラフな格好だ。

「もしかして、デート?」

私は冷やかすようにニヤリと笑う。

田中は聞こえてないフリをしてスルーした。

「だとしたら、その葬式みたいな格好はやめた方がいいと思う」

「別に構いません」

しっかり聞こえているようだ。

「アルマーニのパンツが泣くわね」

田中はチラリと此方へ視線を向ける。

「黒じゃなくてもさー白いTシャツでも着ればいいじゃん。夏なんだし」

田中は無表情のまま黒いシャツを脱ぐと几帳面にハンガーに掛ける。

洋服を着ていると気がつかなかったが田中は案外いい身体をしている。

脂肪のついていない引き締ったウエストに、鍛えているのか胸板は筋肉が程よく着いて厚みがある。

まあ、美味しそう。

私は綻びそうになる口元を気取られぬよう指先で隠す。

田中は無言のまま白いVネックのTシャツに着替えた。

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