「相沢さんが違う男に告白するって嫌じゃない?」

「まぁ大丈夫だろ。橘が心配するような結果にはならないよ」

山本は漬け物を口に入れた。ボリボリと噛む音が朱里にも聞こえた。

「どういう意味?」

「優衣ちゃんは彼氏に振られるよ」

「何で分かるの?」

「分かる。大丈夫だから自信持て」

「意味分かんない…」

断言する山本の真意が分からない。
本当にこの男は何を考えているのだろう、と朱里はじっと山本の顔を見た。

「心配すんなよ。優衣ちゃんは俺が落とすから」

「何その自信は」

「俺、狙った女の子は必ず落とすし」

「あっそ」

「橘のためでもあるんだから応援しろよ」

「はいはい」

山本が相沢を落とすと言っても朱里の不安は消えなかった。

瑛太はきっと朱里に怒っている。失望さえしているかもしれない。
投げやりになった瑛太が相沢に告白されたら、相沢に簡単に気持ちが動いてしまう可能性だってある。

瑛太は今日から実家に帰っているはずだ。
できれば早い内に昨夜の失言を謝りたかった。
最初に不安にさせたのは朱里の方だ。これでは本当に相沢の狙い通りで悔しい。

だが瑛太に連絡できないでいる。
瑛太の朱里への態度はあまりにも酷かった。



二十歳になり何の枷もなくなったとき、朱里と二人でお酒を飲むと約束した。
その日を楽しみに待つはずだった。
酒に溺れる瑛太など見たくはなかった。
前回お酒を飲んだ時よりも、今度こそ深い亀裂が入ったと確信した。

朱里から謝るべきなのかもしれない。
相沢なら卑屈になってる瑛太も受け入れてくれるなんて、今思えばひどいことを言ってしまった。
瑛太が山本との関係を疑ったように、朱里だって瑛太と相沢の仲の良さに嫉妬した。

こういうのを売り言葉に買い言葉と言うのだろうか。

瑛太がこっちに帰ってきたら、別れを覚悟して話し合おうと決めた。





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