中山とは頻繁に連絡を取り合った。
ほとんどは中山からのメッセージに相槌を打つだけなのだが、懐かしい大学の様子やカフェの仕事内容を教えてもらったり、意外にもやり取りが弾んだ。

付き合うことになったあの日以来二人で直接会うことはできないでいたので、付き合っているという実感は薄い。
初めての年下の彼氏が本当に朱里と付き合ってくれているのか、今でも夢じゃないかと思ったりもする。

朱里がお店の前を通る度に中山はとびきりの笑顔で手を振ってくれた。
そうしてだんだんと実感が湧いてくる。
朱里もぎこちないながらもガラス越しに手を振り返すと、カウンター内で中山の横にいた店員の女の子は不思議そうな顔をしていた。





「朱里、最近嬉しそうだね」

食堂でお弁当を広げながら同期入社の杏子が言った。
朱里はちょうど中山にLINEを送るところだった。

「そ、そうかな?」

「いつも休憩中スマホ見てニヤニヤしてるし。新しい彼氏でもできた?」

「うーん…」

「何その煮えきらない感じ」

「彼氏、かな…」

「本当に!?おめでとう!どんな人?」

「年下」

「2つとか3つ下とか?」

「大学2年生だって」

「若!学生!?…どうやって知り合ったの?」

「ナンパ…?」

「マジで!?」

朱里は杏子に経緯を説明する。
誰かに恋愛の話しをするのも朱里にとって久しぶりだった。

「あのカフェ私もよく行くけど、どの子?朝にたまにいる子?」

「多分それは違う子。夜にいることが多いから」

「大学生かー。可愛い?」

「え、うん…可愛いかな。笑顔がね、すっごく」

「いいなー年下……今が一番楽しい時だよね」

杏子に笑顔を向けながら、朱里は中山からのメッセージに返信した。




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