「中山くん最近キモいよ」

相沢にキツいことを言われても気にならないほど、ここ最近の瑛太は浮かれていた。
あんな風に異性を誘ったのは初めてだったが、一度だけでも朱里が食事に行ってくれることになったのが嬉しくてたまらない。
せっかくLINEの交換をしたのだからすぐにでも連絡したかったが、あまりがっついてるとも思われたくなかった。

どんなお店が良いだろうか。
年上とご飯に行ったことがない瑛太は悩んだ。
友人と行くような安い居酒屋には行きたくない。
最初で最後かもしれないのだから、もっと良い店にしたかった。





朱里との約束は土曜の19時に決まった。
その日はバイトが17時までだったが、少し残業になったとしても間に合う時間だった。

当日の夕方になると時計ばかりを気にしていた。
早々に掃除を終わらせ、補充も完璧にした。
あと30分で帰れるという時、年配の客が大勢来店してきた。
普段の瑛太ならメニューの説明も丁寧にし、はっきり伝わるように話すところだ。
しかし余裕のないこの日は、会計にもたつくお婆さんに焦っていた。

「瑛太しっかりしなさい!」

先輩に怒られへこむ。
この時既に18時を過ぎていた。

「中山くんいいよ帰んな!」

相沢が洗浄機に大量のカップを突っ込んでいる瑛太に怒鳴る。相沢の声に驚いた客が何人かカウンターを振り返った。

「相沢、声でかいよ。これ洗ったら帰るから」

「さっきから慌ててる。この後何か予定あるんでしょ?あとは私が代わるから」

「悪い、ありがとう」

相沢に感謝して急いで着替え電車に乗った。



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