「マリン これ洗っておいて」

うちには 夫が二人いるかのようで
拓海はとうとう 私のことを ママとか
かあさんとか言わずに育ってしまった。


すっかり浩一郎より大きくなってしまった 拓海は
戦友みたいなもので


その都度 言い合いしたり 腹が立ったりしたけど
いつの間にか いつもの関係に戻っている。


「車に気をつけて来なさいよ
ママたち 12時くらいには行ってるから」


「うん」


ちゃんと聞いてるのか 最近の敵はスマホ
拓海はずっとスマホばっかりやってる。


「むこうで待ち合わせみんなでしてるから」


「わかったって 何回も同じこと言うな」


相変わらず 生意気なんだから・・・・・・



私は浩一郎と 花を買った。
毎年 花は 私が用意することになっている。

豪華で美しい花を毎年 お墓に供えて
家族の幸せを感謝する。


ハナちゃんが先に逝き 後を追うように
ムネリンも天国へ旅立って行った。


普段 全く感情を出さない 拓海が 泣いて泣いて
泣きあかして・・・・そしていつもの拓海に戻った。


二人仲良く眠るお墓
冬の間は 雪に埋もれても 二人でいるから寂しくないよね。