業務報告はキスのあとで

そんな私の考えを察したのか、それともただの偶然なのか。そんなこと私が知るよしもないけれど


「あ、仕事の話でガッカリした?」


なんて言って平岡さんが笑うから、私は更に驚いてしまった


「全くガッカリなんてしてないです」


だが、ガッカリなんてする訳がない。寧ろ喜ばしいくらいだ。


「あはは、残念だなー」


ちょっとくらいガッカリしてくれたら嬉しいんだけどね、と笑う平岡さんは本当に何を考えているのか理解不能

一体、彼はいつまでこうやって私のことをからかうつもりなのだろうか。



「……それより、そんな重要な会議の書類を私みたいな新人に任せていいんですか」

「え? ああ、うん。

小松さん資料作り丁寧だし、新人とかベテランとかそういうの関係無しに小松さんに頼みたいと思ったから頼んでる。」


お願いしてもいい?と聞く平岡さんに、私は一度頷いた


「…分かりました。頑張ります」


そして、その後しばらく平岡さんからの説明を受け、資料作りに励んだ。



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