不純な理由で近づきました。
*初めてのお宅訪問です




「恭くん、カインくんっ」



待ち合わせをしていた駅に行くと、すでに二人は来ていた。


夏休みだし、駅に人は多いはず。


見つけられなかったらどうしよう、なんて心配は杞憂に終わり。


なぜなら、二人の周りには綺麗なお姉さま方がいて賑わっていたからだ。


制服もさることながら、私服の二人は破壊力抜群なかっこよさ。


話しかけるのに少し躊躇ってしまったぐらい。


それなのに、お姉さんたちは堂々というか、積極的というか。


はたまた余程自分に自信があるのかは分からないけど、恭くんたちに話しかけて(迫って)いる。


他人事ながらすごいな、と感心する。



「えー、こんな子より、あたしたちと遊びましょうよぉ」


「お姉さんたち、奢っちゃうよ?」



一瞬向けられた視線には、嫉妬やらなんやらを含んでいたけど、それはすぐに見下すようなものになり。


まぁ、わたしよりも断然お姉さんたちの方が綺麗だと思う。


それはわたしも分かってるのだけど。



………やっぱりもう少しお洒落をしてくるべきだったのかな。


と、ほんのちょっとだけ後悔。







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