{♡}す き だ っ た 。
7


私はその日夕方たっぷり寝すぎて
すごく元気だった。

ゆうすけは眠い〜って何度も言ってた。



真っ暗で迷子になりそうだった。


「まって。この先暗すぎじゃない…やめる??」

並木道みたいなのがずーっと続いてるんだけど、周りに電気のついてる建物は全くない。

『なに?お前ビビってんの?』

「別にビビってないし。暗いなーって思っただけ!」
はい、私ほんと可愛くない。



迷いながらもやっと公園までたどり着いて、ベンチに座った。



空を見上げたら、満天の星空が広がってた。

『綺麗な満月!』

「さっきよりも月低くなってるね」

『北斗七星だよあれ。
おれ北斗の拳好きだったからさー』

「あ!オリオン座だ!」



プラネタリウムみたいだった。

大きなビルが近くにないから
邪魔がないし、暗いから

本当に綺麗だった。






『帰ろ?』

「うん。」

『あ〜〜〜つーかーれーたー!
おんぶっ!!』

「は?本気で言ってる?笑
いいよ?かかってこい」

『いくよっ!ほいっ!』

うぐっ…!
思ったより重たい……

でも、30メートルくらい進めた!


「普通逆だよね」

30秒くらい歩いたところで
『もう充電満タン?』

ドン!

また乗ってきた

重たい…


なんか後ろから抱きつかれてるみたいで恥ずかしかった。

後ろから前に回される太い腕は
重たかったけどあったかかった。

彼の頭がすぐ真横にあって
喋る度に耳がくすぐったくて嫌だった。





何回か降ろして、おんぶして、繰り返して私は疲れた。熱くなった。

ゆうすけは相変わらず寒いらしく
わたしのパーカーと彼のパーカーを交換こした。


「こんな薄かったらそりゃ寒いよ」

『あったか〜もこもこ〜』

「ベイマックスみたい笑」




『つかれたんでしょ?はい』

完璧におんぶ体制。

「いいよ。歩ける」

『だめ。乗れよ』

「大丈夫」

『お前が重いのなんて知ってるから!』

むかつくうううう!!!




結局乗せてもらった。

たくましい背中だな〜
ずっと後ろでニヤニヤしてた。気付いてませんように。

すごくあったかくて寝そうになった。



「もうこのへんでいいよ?」

『だーめ。俺の決めた目標まで。』

足をバタバタさせて、降ろしてもらおうとしたけどそうさせてくれなかった?

結局家の前のファーストフード店までおんぶしてくれた。

私なんか30メートルで限界なのに
男の子ってすごいなって思った。

『お散歩の記念』

っていって写真を撮った。

いつも勝手に盗撮してくるくせに、
この日は珍しくツーショットだった。


家まで歩きながら
『つかれた〜』
って後ろから抱きついてきた。

重い。

『全部体重お前にかける』

「あ〜おんぶよりそっちの方が楽。」




はじめいた場所に戻ってきた。

『じゃあ頑張ったから、一服ってことで煙草すっていい?』




「え…」
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