タハラ商事は、国内最大手の家電メーカー「カンナギ」の製品を、他企業に売る特約店だ。
横浜支店には、管理部・公共部・産業部の3つの部門がある。
管理部は、社内及び支店間総務や経理を管理する部門。
公共部は、官公庁を顧客に「カンナギ」の製品を納めている部門で、同期の水沢さんはここに配属になった。

そして産業部は、冷熱・施設・医療、3つの課から成り立っている。
冷熱1課と2課は、エアコン等の冷熱機器を納める課。
施設1課と2課は、エレベーターといった施設関連の機器を納める課で、医療1課と2課は、医療機器を納めている。
私は冷熱1課と2課の事務、有澤さんは、施設1課の営業に配属になった。
どの課も2課ずつあって、3課は藤沢支店にある仕組みだ。

というわけで、有澤さんと私は同じ産業部だけど、私は施設1課の事務担当じゃないから、仕事上の接点は全然なかった。

各課、営業は2人から3人いて、私は冷熱1課のほうに席を置いている。
中元課長が上座的位置で、その横に戸田さんと因幡さんが向かい合わせ、私は因幡さんの隣という配置。
私の向かいには、事務をしていた大野さんがいたけど、5月いっぱいで退職した後は、机だけある状態だ。
それをいいことに、ズボラな戸田さんは、仕事中、カタログやファイルをどんどん積み重ねては、中元課長から注意を受けている。

冷熱1課の横に冷熱2課、そして、私から見て後ろ側に施設1課と2課、その後ろに医療1課と2課、という風に配置されている。
どの課も、1課は、課長以外みんな、20代から30代前半なのに対して、2課は40代以上となっている。
だから、施設と医療の事務をしている、私の母と同い年の倉本さんは、施設2課に席がある。
結果的にそうなったのか、わざとそうしているのかは、私も分からない。

有澤さんは、私の斜め後ろの、また後ろに当たる場所、つまり私の後姿が見える位置に席があった。
話をするなら、どちらかが席を立たなきゃいけないという配置からも、有澤さんとは仕事中に話をすることは滅多になかったと思うし、有澤さんより冷熱1課の人たちと話すほうが、断然多かった。

それでも初めての給料日には、「横浜支店メンバーだけで同期会しようぜ」と有澤さんに誘われて、公共部へ行った水沢さんも一緒に、3人で会社近くのファミレスで晩ごはんを食べた。
結局、違う部の水沢さんとは、フロアは同じだけど部屋が違うので、もっと接点がなくなったこともあって、「横浜支店メンバーの同期会」は、次いつ開催になるのか、分からない状態になってしまった。
だけどそれ以来、有澤さんとは月に1・2回の割合で、一緒に晩ごはんを食べるようになった。

この作品のキーワード
夫婦の恋愛  ほのぼの  元同期  かわイケメン  不器用  勘違い  すれ違い?  ときめき  ハッピー 

感想ノートに書き込むためには会員登録及びログインが必要です。