「こんなのも似合うんじゃないかな」

彼の視線の先にあるのは、淡いピンクの革で作られた財布。

ワンポイントとしてシルバーに輝くハートのモチーフがついている。


「いえ。ないと思います」

私は冷たく却下した。

なんでピンク? よりにもよってハート?

ちゃんと私のことを見て言ってる?

バカにしている?


「そう? 可愛いと思うんだけど」

彼は少し残念そうに肩を落とした。


可愛い、は、可愛い。すごく可愛い。

でも。

「私、こういうの似合いませんから」

わかるでしょ、という風に冷めた目で彼を一瞥した。


「そんなことないよ。いいと思うんだけど」

彼はうーんと唸り声を上げながら、財布と私を交互に眺める。

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