――翌朝。

私たちは、ピンポーン ピンポーンという。
暴力的な呼び鈴の音に叩き起こされた。

「Shit, fu……」

忌々しそうな口調で、うっかりひとりごちた響哉さんは、瞳を開けるなり私を見て、まるで違う雰囲気で微笑んだ。

「おはよう、マーサ」

その代わりぶりたるや、見事なものだと思うけど。


今絶対に、『クソボケっ!』的なことを、スラング英語で呟こうとしていましたよね?……ち、違うといいんだけど。


響哉さんは逃げる間もない素早さで私の額にキスを落とす。

「まだ寝ているといい」

くしゃりと私の髪を撫でると、響哉さんは昨夜投げつけたケータイを拾って電源を入れた。

「おはよう。
 日曜日に呼び鈴で人を叩き落すとは、随分出世したものだな。

 ああ。それは誰かがカレンにこの番号を教えたからだよ。すぐに新しいのに変えてくれ。

 日曜日は働かない主義なんだ。言ってなかったっけ?

 ……断る。
 それをなんとかするのがお前の仕事だろう? じゃ」

響哉さんはほとんど一方的にそう言うと、電話を切った。

……電源ごと。

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