桃の姫〜最強姫の愛した族〜

疑われる私と攻めてきた轟

〝お前は何者だ〟…か。


龍哉の目、あれは本気で疑ってる目だ。


まぁ、そりゃあそうだよな。


調べても一切情報が出てこねぇんだもん。


だからといって、今バレるわけにはいかないんだ。


正体を明かすのは轟と戦う時。


「何者…って、普通の高校生だけど?」


みんなに嘘をつくハメになったとしても…。


俺は正体を隠し続ける。


「普通の高校生の情報が何も出てこないのはおかしくないか?」


「ああ、それか。昔ちょっと誘拐されたことがあったんだよ。それからお父さんの友人に頼んで見れないようにしてもらってんの」


これは本当のこと。


あの時は小学生だったし、ヤり方は知っていたが、大人相手に勝てる程強くはなかったし。


すぐにお父さんが助けに来てくれたから、怪我1つなく無事に帰れたんだよな。


あの誘拐事件から俺は強くなろうと、必死に特訓をしてきた。


辛かったし、しんどかった。


だけどそのおかげで今の俺があるんだから、頑張ったかいがあったもんだよ。


ちなみに、お父さんの友人っていうのは雪美のお父さんね。



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