“何か”が私を追ってくる。

そんな気がして闇の中をひたすら駆け抜ける。

走るのは得意だった。

誰よりも早く走れると自負していたのはずっと前のことだったが、現役を退いた今だって同世代の人には負けない。

“何か”に囚われてしまったら、私はどうなってしまうのだろう。

恐ろしくてたまらない。

決して後ろを振り返ってはいけない。

“何か”の正体を知ってしまったが最後、きっと私は走れなくなる。

(誰か助けて)

段々、足が動かなくなってきた。息が上がりそうになっている。

速度が落ちてきて、するすると“何か”が足に纏わりついていく。

悲鳴を上げそうになった時。

……一筋の光が見えた。

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運命    年下 

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