愛結の隣に悠ちゃん

こんにちは、愛結。



忍足愛結、生まれたときから本当の両親はいなくて、友達もいなかった。

けれど、毎日ちゃんと学校へ通い、卒業式を終えて今日から新入社員として会社に勤務することになった。

初めてのことに不安ばかりだが、なんとかなるだろうと軽く考えていた。


「忍足愛結です!本日からお世話になります、よろしくお願いします!」

元気よく挨拶をすれば、快く迎えてくれる先輩社員。
温かい拍手をしてくれて、次にもう1人の新入社員が、一礼をし口を開く。

「財前悠人です、よろしくお願いします」

同じように挨拶をすれば、にこりと笑みを浮かべる悠人。



挨拶が終わると、他の社員は先程まで行っていた仕事に戻る。

『愛結、久しぶり。また会えたね。』

そう、頭に届くのと同時に悠人が愛結を見ていることに気づき、軽く会釈をする。


彼への第一印象は良好ということだけだ。



~fin~




< 68 / 69 >

この作品をシェア

pagetop