其れから暫くは、キャンパスで葛城と会う機会は殆どなかった。

たまに見かける事もあったが、女とイチャイチャしているか、田中と藤原とつるんでいるかの、ほぼどちらかだったので私から声を掛けることはしなかった。

寧ろ、姿を見たらコソコソと隠れるように逃げだしていた、っていうのが正しいかも。

私は平穏なキャンパスライフを取り戻しつつある。


今日は午後からの講義が休講になったので、キャンパスのカフェテリアで瑞希とスペイン語の勉強をする事になった。

「やってるね」

顔を上げると中谷先輩がノートを覗き混んでいる。書き込まれた横殴りの文字を慌てて隠した。

「必修課目なんで落す訳には行かなくて」私は照れ笑いを浮かべながら答える。

「ところで、夏休みの予定は既に立てている?気が早いんだけどさ」

「いえ、特には」私と瑞希は顔を見合わせながら言う。

「実はサークルで夏季の合宿に行くんだけど、よかったら小森さん達も一緒に行かない?」中谷先輩は照れくさそうに笑う。

「へぇ、日程はいつですか?」瑞希が尋ねる。

「7月30日から8月3日までの3泊4日だよ。今年は軽井沢なんだ」

軽井沢で、中谷先輩とテニス…なんか素晴らしく青春っぽくない?

これは是非参加したい。私がチラリと視線を向けると瑞希は二コリと微笑む。

「後でメールを送るから考えておいてよね、なるべく前向きに」

「はい、予定を確認してみます」

よろしくね、と言って爽やかな笑みを浮かべ中谷先輩は去っていった。

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