俺様社長と秘密の契約
思ってもいない言葉に、目を見開いた。

「そんなの事してな…」
私の言葉なんて、耳に入っていないような態度で、強引に私を抱く御堂社長。

私は抵抗したが、直ぐにそれもやめた。
…だって、私が御堂社長に敵うはずないから。

…でも、こんなの嫌。
誤解されたまま、だかれるなんて。

「…理子」
私の顔を見た御堂社長はハッとした。

抵抗する事なく、静かに涙を流している私を見たから。

「…俺は」

「…」

「…俺は、他のヤツの為に、お前に、そのドレスを着せたわけじゃない」

…え?

「…お前を、俺色に染めたくて、そのドレスを着せた」

「…社長、…意味が、わかりません」

「…お前は、誰のモノでもない。
…俺だけのモノだ」

「…社長」

…今度は、強引じゃなかった。
…凄く優しい、キス。
…割れ物を扱うような、優しい、優しい、キス。

そのキスの意味は、私には到底理解出来るキスじゃなかった。
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