鬼部長と偽装恋愛はじめました
「なんか不思議な感じ。祐平は、苦手な部長のはずだったのに、こんなに好きな人に変わってる」

体を重ね合ったあと、陽の光の差し込む部屋で、私は祐平を抱きしめた。

スーツ姿だと、細く見える彼の体も、服を脱ぐと締まっていて男らしい。

その温もりを素肌で感じていると、祐平が私の髪を優しく撫でた。

「オレも。香奈美がオレを煙たがってるのは分かってたから、未来って分からないよなって思ったよ」

と言いながら、祐平はクスッと笑った。

「今思えば、祐平はそれだけ部下を熱くさせる上司だったってことよ」

「本当にそう思ってるのか?」

祐平は私の体を離して、いたずらっ子のようにニッとした。

「思ってるって。本当だよ……」

クスクスと笑った私に、祐平は唇を重ねる。

何度も何度もキスを交わしながら、このまま時が止まればいいのにと願ってしまうほど。

好き……その気持ちを再確認しながら唇を重ねていると、インターホンが鳴った。
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