「どうしよう、どうしよう、どうしよう!!」

「ちょっと、先輩っ!落ち着いて下さいよ~」

「落ち着いてなんていられないよ~」



麻生さんのアパートを出た私は、その足で不動産会社へ行き、玄関の鍵を変えて貰う手続きをした。

身分証明書から自宅が判明し、鍵で空き巣を狙われても困る。

勿論、自宅にいる時に侵入されたら……と思うと、正気じゃいられない。

それから、会社へ連絡し、保険証の再発行手続きも依頼した。


午後一番で玄関の鍵を変えてくれると言うので、その間に病院へ行き、念の為に診察を受けた。

20代とは言え、自分の身体の事は自分が一番よく解っている。

寝て治るという安直な考えは、とうの昔に捨て去った。


親元を離れて一人暮らししているという自覚と主任という責務がある立場上、そう簡単には寝込めない。



そして、その夜。

早番上がりの志帆ちゃんを自宅に呼び付けた。


昨夜の出来事を洗いざらい話して、今後の対策を練ろうという魂胆の私。

けれど、意外にも志帆ちゃんの反応は薄い。

結構進展があったようにも思うんだけど、彼女的には面白くなかったのかなぁ?



「………志帆ちゃん?」

「………何ですか」

「怒ってるの?」

「別に怒ってませんよ!」

「怒ってるじゃん」

「………」


私から視線を逸らし、ちょっと苛ついた感じで珈琲を口にする彼女。

私………何か、変なこと言ったかな?


彼女の顔を窺いながらカップに口を付けると。


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