「あの時祥裄は私じゃなくてあなたと一緒にここから出ていったんだから、そういうことでしょ」

「木下さんじゃなくて、沙羽先輩の気持ちです。もう木下さんのことは好きじゃない、ってことでいいんですよね?」


好きじゃない、わけじゃない。
瑞香の言葉が思い浮かぶ。

――冷静になって、ちゃんと考えなさい。
今祥裄くんと別れる余裕なんて、あんたにはない。


二日間の休みのあいだでじっくり考えた。
それでも、あの時私を置いていった祥裄に、やり直そうなんて言いたくなかった。

絵里ちゃんより私を選んで、とか、そんな未練たらしいこと、私は言えない。だってはっきり、私じゃなくて絵里ちゃんを選んだのに。

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