俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜

めぐり逢い

公立中学のプールは、ほとんどが屋外にある。


そのため、水泳部の活動は、
プールが使えるようになるまでの、春のうち、
陸での、体力づくりが主だった。


6月に入ると、
直ちに部員は呼び出され、
名誉なる、プール掃除を命じられた。


これは、毎年の恒例行事らしいのだが、
今回が初めての経験となる、1年生部員は、
はじめのヌメリに戸惑う者ばかり。


また、その日はよく晴れて、

もともと、皆、ジャージの下に水着を着て、作業をしていたのだが、

分かっていた男子部員達は、

ほとんど、掃除も終了に近づいた頃、
海水パンツになっており、

コレもまた、恒例の
激しい、水かけ合戦が始まった。


なんでも、
少し遅めの、新入男子部員歓迎行事らしく、

これから、裸の付き合いとなる手始めの、スキンシップなんだとか。


そんなこと、聞かされていない1年は、
ジャージごとずぶ濡れで、

出遅れた琴乃は、
この頃、髪が短かった為、
男子と間違えられ、水をかけられるハメとなった。


この時、間違えた人物こそが、駿祐で、

部員でもないのに、
掃除の手伝いに来ていた、この日

クラスの違うふたりが、
お互いの存在を知った、はじめての日となった。


それにしても、インパクトのある出逢いだ。
< 10 / 238 >

この作品をシェア

pagetop