「えっと……ミズーリ地区は……人口が86人、と」


大学ノートにペンで書き留めてるのは、ロゼッタさんに教えてもらえた情報。

簡略化した大まかな地図に、それぞれの家の場所と家族構成に年齢、名前、性別なんかがある。それと、誰かが病気とか収入が無いとかの問題点も記入しておいた。




バルドと行動をともにするようになって1ヶ月。少しずつストラトス語を学んではいたけど、住民と自由に会話するには全然理解が足りない。仕方ないから、ロゼッタさんに通訳を頼んでる。


今、あたしが従事してるのは何かの調査って言うか統計っていうか。訪れた地域の住民の人数や家族構成を調べる仕事。バルドが行くのが町じゃなく、郊外も郊外。全然開拓されてない場所ばかりだから、野宿なんて当たり前。お陰で身体中が痛いのにも慣れましたよ……。


で。あたしとロゼッタさんにこんな調査をさせているバルドと言えば、その家の家長や集落だったら長老や代表者に会ってるらしい。何を話してるのか知らないけど、皆一様に歓迎する風じゃない。中には槍を持って追い払われそうになったりと、物騒な対応をされた事も一度や二度じゃないんだよね。


ロゼッタさんは会話は出来るけど、ストラトス語も日本語も文字は書けないみたい。だから、プリントの裏を使ってぎこちないながらも練習を始めた。


ここでは紙は貴重で高価だから、なるべく無駄にならないよう気を付けてます。

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