恋日和 〜キミに届かない恋でも〜

・ 幸せな放課後

《Riko》





バレンタインの前日の金曜日。
だからこそ、いつもよりそわそわしながら図書館のまえで彼を待つ。


あげるのは、義理チョコだけれど。


クラスメイトにあげる友チョコよりも少し豪華にしたり、見た目もいいやつを選んだりしちゃった。



『本命?』って、希子に間違われるのも当然かもしれない。


……もしかして、私は三吉くんが好きかもしれない。
でも、まだ自分でもよくわからない。



———だから、義理チョコ。
そのほうが、気兼ねなく渡せる気がして。


でも、ドキドキするなあ……。



オレンジ色の空を見上げて待っていると、目のまえからだれかが走ってくる気配がして、視線をそっちに移す。



「キコ、なんか……久しぶり」

「土日に会ってないから、そんな気がするかも!」



あははっと笑うと、三吉くんも優しい笑顔を見せた。


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