結婚してください

・・藤堂広樹の苦難

今回の主人公は俺、藤堂広樹。

藤堂英輔の実の弟にあたる。

兄の英輔とは6歳の年の差がある。

だから、兄が藤堂家の嫡男としての結婚を決めた時、俺はまだ小学6年生の12歳だった。


その頃から、何かと騒がしい兄夫婦だったが住居が別だったし、俺は学校があったからあまり気にも留めていなかった。


当時俺は子どもだったから、まさか、兄夫婦が離婚危機にあったとは知りもしなかった。


てっきり順風満帆だと思い込んでいた。


しかし、そんな兄夫婦が藤堂家の跡取りとして本家へ入ることになった。


これを機に俺は、兄夫婦が住んでいたあの屋敷へと引っ越すことになった。


一人で暮らすには広い屋敷だ。


だからってわけじゃないが、俺も早く嫁が欲しい今日この頃だ。


兄は入籍後、チャッチャとうまい具合に連続で子どもをもうけた。


羨ましい話だ。


兄は嫡男だから18で結婚したんだ。だから、その頃から嫁を好き放題扱えたんだ。


こんなに美味しい話はあるか?! 親も学校も公認で!


本当に兄は恵まれている。


愛する嫁がいて、愛する子どもたちがいて、将来は安泰だ。


しかし、俺には一人の一人の子どもどころか、まだ、恋人すらいない状態だ。


親父は兄が30歳になると会長職となり、兄が今では藤堂グループの社長だ。


その傘下のグループ企業の社長をそろそろ任せてもらえるようになっているが・・・


まだ、26歳になった今年婚約者さえいないことに周囲から渋られてしまい社長職さえも危ない。


俺も早く結婚して家庭を築きたい。


一日も早く一人前として扱って欲しい。


その為には、まず、嫁探しだ!



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