お見合い当日


とうとうこの日が来ちゃった。


この一週間長かった…


零の側で秘書として仕事をしてきたけど

、合間に時折触れる唇、髪に触れる指、

艶っぽく見つめられて何度も心が折れそ

うになった。


仕事の忙しさで、彼から求められること

がなかったのが救いだ。


キスだけで理性が崩れそうになってしま

うのに、身体を重ねてたら決意が揺らい

でいたと思う。


「胡桃、浮かない顔してないで笑顔よ。

そんな顔、金城さんに失礼でしょう」


隣で母が叱責する。


「まだ、来られてないんだしいいじゃな

い。それに緊張しているの」


浮かない顔⁈


そりゃそうよ。


よりによってどうして零が泊まっている

このホテルなの⁈


まぁ、個室だし鉢合わせすることはない

だろうけど…こんな姿見られたらお見合

いだってばれちゃうよね。


「失礼致します」


スッと障子戸が開いて中居さんに案内さ

れて入って来た人が目の前に座った。


「遅れて申し訳ございません」


「いいえ…こちらが早く来ただけですか

ら…おほほほほ…」


お母さん、どこからそんな高い声が出る

の⁈


確かに、素敵な男性だけど零の方が断然

かっこいい。


あっ…零と比べるなんて私ってどれだけ

零の事が好きなのよ。


「胡桃さん、初めまして…僕は金城 拓

人、公務員をしています。32歳です」


「あっ、初めまして…宮内 胡桃です。

飛鳥建設で秘書をしています」


お互いに自己紹介をして軽く頭を下げた


「写真で見るよりも綺麗な方なので緊張

してます。あははは…お着物姿もお似合

いですね」


それって褒めてる⁈

28で振袖ってどうなの⁇

せめて訪問着とか色留袖を着たかった。


「ありがとうございます」


一応、微笑んでお礼を言っておこう。


「…………」

「…………」


金城さんは、鼻の頭をかいている。


もしかして、照れてる⁈


視線が合うとほんのり頬を染め微笑む金

城さん。


零と違うタイプ…こんな人もいるんだ。


「……あの、金城さんは公務員っておっ

しゃいましたが、どんなお職業なんです

か?」



「もう、胡桃ったら…金城さんのプロフ

ィール見てないの⁈」


見てない…だって写真も見てないもの。

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