大阪セカンドシンデレラ
2、近づく距離



「美紀、しっかり食べて行きや。」



通天閣のすぐ傍にある小さなたこ焼き屋。


4人掛けのテーブル2つと、カウンターに椅子が5個置いてあるだけの小さなお店。


私はカウンター席の1つに座って、すぐ目の前で手際よくたこ焼きを回しながら焼いている動作に見入っていた。



「ゆかちゃんは相変わらずたこ焼き作るの上手いなぁ。」



「当たり前やろ。たこ焼き屋やねんから。」



髪の毛が落ちないように黄色いバンダナを巻き、膝下までの鮮やかな黄色いエプロン。


健康的な色黒の左手を腰に当てて、右手でたこ焼きを回している。


私より3歳年上のゆかちゃん、19歳。


幼稚園の頃からの幼馴染で、ここのたこ焼き屋の店長。


一度聞いた事がある。



「ゆかちゃん、何でバンダナもエプロンも黄色なん?」



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